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「コクリコ坂から」の感想 [音楽・映画を聞く観る日々]

観てきました。

監督は前作に「ゲド戦記」を監督した宮崎吾朗。脚本・企画は宮崎駿。
http://kokurikozaka.jp/credit.html

1行でまとめると、
舞台は東京オリンピック(1964年)前年の横浜で、女子高生・松崎 海を中心に、高校内の古い部室棟(カルチェラタン)の保存運動をする男子高生 風間 俊との戦後・朝鮮戦争後の影響を引きずるラブストーリー。
http://kokurikozaka.jp/story.html
http://kokurikozaka.jp/pnote.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%A8%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%BF%E3%83%B3

内容は単純明快なラブストーリーであり「耳をすませば」の相似形の内容。「耳をすませば」が現代の設定に対して、「コクリコ坂から」は昭和を設定で、この時代背景を強く反映させたストーリーであった。戦後の昭和、朝鮮戦争後から、活気にあふれた東京オリンピック開催の前年、これに続く60年安保闘争時の人物や背景雰囲気が身近に感じられるように描けていた。海と俊はカルチェラタンの保存運動と学生新聞の発行作業で自然に惹かれあい、戦後しばしば起きていた親子の入れ替りの影響で互いは兄妹でないかとう疑い、好きになりながらあきらめなければいけない彼らの葛藤はうまく描写されていた。カルチェラタンの保存運動から、その時代の生き生きとした当時の学生の生活や部活動、彼らの団結がわかりやすく伝わってきた。

一方で、海の周りの登場人物の相関関係がわかりにくい。このため登場人物の重みが伝わってこない。よほど注意深く映画を見ないと、父親・母親との関係も見落としやすい。登場人物を4,5人減らしてもいいのではないかとも感じた。またカルチェラタンの保存騒動も海と俊との距離感を伝える点ではわかりやすく良いが、保存運動の活気にあふれた描写の割には他の登場人物の中身が軽く伝わってこない。保存運動の結末までの流れにはやや無理があり、海と俊の最後の冒険への引き込みはやや強引であった。カルチェラタンの保存運動に大きな山がない分、その無理な流れの必要性はないという印象を受けた。

総括すると、東京オリンピック前年の時代背景に対してちょっとした影を潜めた1つの小さなラブストーリーとしてはまとまっている。やや各ストーリ間や登場人物間のつながりに十分でないところはあるが、それぞれの生き生きとした楽しさや美しさ、悲しさも十分描けており、全体としてのきれいな描写は観る価値があると思う。
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